こんにちは。薄口キャリコン(薄口キャリアコンサルタント)です。
就職支援のキャリアコンサルタントをしています。
カウンセリングの学習歴は1990年代後半から20年以上、
キャリアカウンセリング、キャリアコンサルティングの実践歴は15年以上です。
このブログでは、
○国家資格キャリアコンサルタントを目指している方
○国家資格キャリアコンサルタント試験に合格して間もない方
に向けた情報発信をメインに行っています。
さて、キャリアコンサルタント養成講座・養成講習(以下、キャリコン養成講座)では、
キャリアコンサルティング実習・演習で傾聴の技法を学ぶために面接のロールプレイング
(面接ロープレ)を行います。
やり方としては2人一組で行うペアワークもありますが、最も多く行われるものとして
3人一組での進め方があります。
3人一組で行うロールプレイングでは3つの役割がありますが、それぞれの役割について
充分に理解したうえで臨んでいますか?
もし分かっていないと学習効果が半減してしまいますので、今回確認しておきましょう。
今回の結論として、
面接ロールプレイングでの3つの役割は、キャリコンとして実践していく
ためにすべて大切です。
理由は3つの役割の説明の中でお伝えします。3つの役割は次のとおりです。
① キャリアコンサルタント(CC)役
② クライエント(CL)役
③ 観察者(OB)役
順番に解説します。
① キャリアコンサルタント(CC)役
傾聴を行うための3つの態度(自己一致、無条件の肯定的配慮、共感的理解)をベースに、
うなずき、あいづち、感情の伝え返し(感情の反射)、繰り返し(内容の反射)、質問
(開かれた質問、閉ざされた質問)、要約といった「傾聴の型」を習得するために実践を
していきましょう。
養成講座で行われる面接ロールプレイングは初回面接(インテーク面接)がほとんどになるでしょう。挨拶・自己紹介、そして面接時間や守秘義務を伝えるといった相談場面の設定
(場面構成)から、関係の構築(関係構築、信頼関係の構築、ラポール形成、リレーション
づくり)を進めていきます。この一連の流れについては、自然に話して行動できるように
しましょう。
大まかな目安としては、12日間の講座のうちの4日目までに、まずはうなずき、あいづち、
感情の伝え返し(感情の反射)、繰り返し(内容の反射)をしっかりと使えるように意識
して取り組み、クライエント(CL)役が伝えたいこと・訴えていること(主訴)を把握
して、ロールプレイングの振り返りの際に簡潔に話せるようになりましょう。
そして8日目までには加えて、質問(開かれた質問、閉ざされた質問)と要約をしっかりと
実践できるように意識して取り組み、クライエント役の問題把握(※クライエント役の視点
からの問題の把握)を行って、ロールプレイングの振り返りの際に簡潔に話せるようになり
ましょう。
そして12日目までには、クライエント役の問題把握(※キャリアコンサルタント役の視点
からの問題の把握)と問題解決(課題解決)に向けた方策(初回面接時点での仮のもの)
を考えてみて、ロールプレイングの振り返りの際に簡潔に話せるようになりましょう。
② クライエント(CL)役
教育機関によって異なると思いますが、次のいずれかの形式で行うことになります。
①クライエント役が自分自身の本当の悩みについて話をする
②事前に用意されたクライエント設定に沿って演じる、まさに「ロールプレイング」を行う
①は自分自身のことを話すので、キャリアコンサルタントに応答によって、自分の中で
どのような心の変化が起きるか、どのような気持ちになるかが分かります。
感情の伝え返し(感情の反射)、繰り返し(内容の反射)などの傾聴の技法でしっかりと
受けとめてもらった場合とそうでなかった場合での体験が、自分自身がキャリアコンサル
タント役を行った際に活かすことができます。
②についても同様ですが、こちらは事前のクライエント設定がとても重要になってきます。
クライエントがどのような状況(出来事)についてどのような気持ちや想いそして考えを
抱いているのかが基本的な構成になるでしょう。
③ 観察者(OB)役
観察者(オブザーバー)役は、キャリアコンサルタント役とクライエント役の面接の様子を
文字通り観察する役割です。役割のポイントとしては、次のものが挙げられます。
○感情を表す言葉やキーワードを書き留めて、それらの言葉をキャリアコンサルタント役が
捉えて応答していたか。
○キャリアコンサルタント役の応答によってクライエント役にどのような変化が起きたか。
○クライエント役の発言によってキャリアコンサルタント役にどのような変化が起きたか。
感情の言葉やキーワードといった言語の部分と、声の調子や話すスピード・身振り手振りと
いった身体表現・表情の変化といった非言語の部分に注意を向けて二者関係をしっかりと
観察して面接ロールプレイのふりかえりの際にフィードバックしましょう。
下ばかりを向いてメモを取ることだけに気を取られないことが大切です。
こういった観察者の視点はキャリアコンサルタントに求められるものなのです。
【今回のまとめ】
面接ロールプレイングでの3つの役割は、キャリアコンサルティングを観ていく上での
3つの視点に該当し全て大切です。
通学講座の面接ロールプレイで学ぶ内容は、面接の実技試験にほぼそのまま活かすことが
できますので、しっかりと意識して取り組んでいきましょう。
今回はここまでにします。それではまた。